もうなにも考えたくなかったから闇雲に指を動かしてひたすらあたまのなかで回ることばから目を逸らそうとした。

いつだってなにかを決めなきゃ生きてゆけなくて、誰が肯定しようと誰が否定しようと誰が無視しようと呆れるほどたくさんの取捨選択を続けながら僕等は毎日毎日すこしずつ死んでゆく。

築くためには時間がかかるけれど、どれほど大切なものだろうと断ち切ることはひどく容易いと知ったのはいつだっただろうね。
気づくことは傷つくことと同義で、皮膚一枚隔てたその下に流れる血液に触れられるのがひどく厭だったから、自分で傷ばかり作ってそれを快楽にすりかえる方法を見つけだしては溺れていたんだ。


大切なものは全部過去。
たくさん与えられたから、これ以上は必要なんてない。

離れてみればどんなに大切なものだって薄れてゆく。
時間と距離は残酷なまでに公平にいつだって変わりなく存在するから、僕は綺麗な記憶だけ抱えて留まっていることだってできるよ。




ああ、そういえば明後日は九月最後の金曜日だ。
久しぶりに、皆に会いにゆこうかな。


◎ ◎ ◎

誕生日まで残り一ヶ月を切りました。

十七の頃のまま、止まってしまった時間だけれど
あと一ヶ月でひとつ、なにか遺そうと思います。

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