うむ
2007年5月8日ことばのやまい。
連ねたってどこにもゆけないのに
まだあきらめられなくて願ってしまう。
届かないかなたどり着けないかな伝わらないかな
◎ ◎ ◎
あぶないよひき殺されたいの、否べつに、でも、なに、ああそうだねそれも一興、ほんと馬鹿みたい、君よりはいいはずだけど、それが、知ってる、なら、さあねえ、なんでいつもそうやって、生まれたときからだろ、嘘、かもね、ひどいな、それも、知ってるからたちが悪いんだよ、こいつは失敬、さいあく、周知の事実だろ、わかってるなら修正すべきでしょう、違いない、溜息。
駄目だよ君じゃ傷つけられやしない。
あまいあまい君でわたしが腐ることはわたしを腐らせることは可能だけどあまいあまい君はそれを望まないんだろう?精精虫歯をつくったわたしを馬鹿にするくらい。ならば。
(ところで罵倒したあとに抱き締めるのはなんのつもりなんだか。誰かに言われた?それが正攻法とでも思っている?残念だけどね幼稚すぎるよ正直呆れるしかないよ下らない)
つめたい、どこが、だからそういうところが、ああそうかもねたまに云われる、普段はちがうのに、錯覚だろ、じゃあ彼女にも、は、あのこ、ああ、この10倍はつめたいよ、愛してるのに、愛してるから、わけわかんない、べつにわかりあえるなんて思ってないから安心しなよ、溜息。
あまくてあたたかかったらすぐ腐るだろう?
◎ ◎ ◎
歳月と距離は感覚を。
募るのははじめだけ
それすらなかったその余地すらなかった
ならば。
慣性と惰性はなにが違う?
いっそ連絡手段なぞなければ好いのに。
ゆるがないことが逆にかなしいや。
連ねたってどこにもゆけないのに
まだあきらめられなくて願ってしまう。
届かないかなたどり着けないかな伝わらないかな
◎ ◎ ◎
あぶないよひき殺されたいの、否べつに、でも、なに、ああそうだねそれも一興、ほんと馬鹿みたい、君よりはいいはずだけど、それが、知ってる、なら、さあねえ、なんでいつもそうやって、生まれたときからだろ、嘘、かもね、ひどいな、それも、知ってるからたちが悪いんだよ、こいつは失敬、さいあく、周知の事実だろ、わかってるなら修正すべきでしょう、違いない、溜息。
駄目だよ君じゃ傷つけられやしない。
あまいあまい君でわたしが腐ることはわたしを腐らせることは可能だけどあまいあまい君はそれを望まないんだろう?精精虫歯をつくったわたしを馬鹿にするくらい。ならば。
(ところで罵倒したあとに抱き締めるのはなんのつもりなんだか。誰かに言われた?それが正攻法とでも思っている?残念だけどね幼稚すぎるよ正直呆れるしかないよ下らない)
つめたい、どこが、だからそういうところが、ああそうかもねたまに云われる、普段はちがうのに、錯覚だろ、じゃあ彼女にも、は、あのこ、ああ、この10倍はつめたいよ、愛してるのに、愛してるから、わけわかんない、べつにわかりあえるなんて思ってないから安心しなよ、溜息。
あまくてあたたかかったらすぐ腐るだろう?
◎ ◎ ◎
歳月と距離は感覚を。
募るのははじめだけ
それすらなかったその余地すらなかった
ならば。
慣性と惰性はなにが違う?
いっそ連絡手段なぞなければ好いのに。
ゆるがないことが逆にかなしいや。
idiot
2007年5月7日僕、莫迦だからさ、期待しちゃうんだよね。
叶わないってわかってても
それでもなんか
もしかしたら、って。
そんなこと、できやしないし
それは当然了解してる。
序に知らない振りすらしてるけど
それだってもう好い加減限界だよ。
もう、やだ。
あー。
お利口になりたい。
お利口になりたい。
お利口になりたい。
お利口になりたいなんて望まない
そんなお利口さんになりたいな。
救済の手に曖昧に首を振って断ってるのは
必要ないからじゃなくて、如何したら好いかわからないから?
わかんないよ。
なんか泣きそう。
無味乾燥、まるでささくれてく。乾涸びてく。
目的地なんてどこにもないよ。
立ち止まったら、多分もう進めなくなるから
只管今の消費と浪費に必死になってるんだ。
もう、寝ようか。
おやすみなさい。好い夢を。
叶わないってわかってても
それでもなんか
もしかしたら、って。
そんなこと、できやしないし
それは当然了解してる。
序に知らない振りすらしてるけど
それだってもう好い加減限界だよ。
もう、やだ。
あー。
お利口になりたい。
お利口になりたい。
お利口になりたい。
お利口になりたいなんて望まない
そんなお利口さんになりたいな。
救済の手に曖昧に首を振って断ってるのは
必要ないからじゃなくて、如何したら好いかわからないから?
わかんないよ。
なんか泣きそう。
無味乾燥、まるでささくれてく。乾涸びてく。
目的地なんてどこにもないよ。
立ち止まったら、多分もう進めなくなるから
只管今の消費と浪費に必死になってるんだ。
もう、寝ようか。
おやすみなさい。好い夢を。
あの空のむこうに連れてって
2007年5月5日ねえ、連れていってよ。
そろそろ春が終わる。
なんだか、そう、最近空気が夏に近付いたな、と思っていたら
いつのまにやら五月。
もう初夏。
なんてゆうんだ。
ふとした瞬間の空気の重さ、ひかりの色、風のつめたさ。
そんなものでなにか、どこかにあるものを思い出しそうなのに
それがはっきりと掴めなくてもどかしい。
胸に響く感覚はすぐ消えてっちゃうから
ことばにして閉じ込めたいよ。
小さい頃に感じた世界のやさしさや冷たさ、なにより絶対的な質感は変わってない。
幾ら背がのびて視界が変わっても手触りは同じなんだよな。
だからこそずっとずっとリンクしてる。
10年前、9歳
15年前、4歳
もしかしたら20年前だって。
食べたくなったホームランバーが当たった。笑
そろそろ春が終わる。
なんだか、そう、最近空気が夏に近付いたな、と思っていたら
いつのまにやら五月。
もう初夏。
なんてゆうんだ。
ふとした瞬間の空気の重さ、ひかりの色、風のつめたさ。
そんなものでなにか、どこかにあるものを思い出しそうなのに
それがはっきりと掴めなくてもどかしい。
胸に響く感覚はすぐ消えてっちゃうから
ことばにして閉じ込めたいよ。
小さい頃に感じた世界のやさしさや冷たさ、なにより絶対的な質感は変わってない。
幾ら背がのびて視界が変わっても手触りは同じなんだよな。
だからこそずっとずっとリンクしてる。
10年前、9歳
15年前、4歳
もしかしたら20年前だって。
食べたくなったホームランバーが当たった。笑
はるのあめ
2007年5月2日起きたら雨が降ってて
あんまり優しい音だったからまた眠った。
今、とてもねむたい。
あたまの中にね、睡蓮の花が咲くんだ。
その匂いのせいでずっとずっと終わらない夢が続いてゆく。
愉しいことが好き。
本を読むこと。お風呂にはいること。美味しいお酒を飲むこと。思う存分眠ること。深夜の散歩。いろんな世界に触れること。
明日を怖がって今日から逃げて、
ならば何時までたってもなにひとつ届かないんじゃあないのかな。
ねえ、違う?
あ。もう大学はじまる。
あの場所にいる膨大な数のにんげんがそれぞれ思考・摂食・睡眠・会話、その他さまざま同じような行為を繰り返してると思うと
なんだか気持ち悪いけど面白い。
価値観やら思想やら矜持やら
そういうものでの共通項があまりにも少なすぎるひとたちとでも
行為だけ取り出して、俯瞰して見たら殆ど一緒。
それが別になんだってことでもないんだけど。さ。
多少の気休めにはなるんじゃない?どんな場合でも、お互い。
(ほら、戦争で対立してる兵士達だって)
ねむりすぎて腰が痛い。おなかがすいた。
そろそろ起きて、ご飯つくって時間割考えます。
起きれたら明日から?今日から?大学だ。
春が、始まる。ね。
あんまり優しい音だったからまた眠った。
今、とてもねむたい。
あたまの中にね、睡蓮の花が咲くんだ。
その匂いのせいでずっとずっと終わらない夢が続いてゆく。
愉しいことが好き。
本を読むこと。お風呂にはいること。美味しいお酒を飲むこと。思う存分眠ること。深夜の散歩。いろんな世界に触れること。
明日を怖がって今日から逃げて、
ならば何時までたってもなにひとつ届かないんじゃあないのかな。
ねえ、違う?
あ。もう大学はじまる。
あの場所にいる膨大な数のにんげんがそれぞれ思考・摂食・睡眠・会話、その他さまざま同じような行為を繰り返してると思うと
なんだか気持ち悪いけど面白い。
価値観やら思想やら矜持やら
そういうものでの共通項があまりにも少なすぎるひとたちとでも
行為だけ取り出して、俯瞰して見たら殆ど一緒。
それが別になんだってことでもないんだけど。さ。
多少の気休めにはなるんじゃない?どんな場合でも、お互い。
(ほら、戦争で対立してる兵士達だって)
ねむりすぎて腰が痛い。おなかがすいた。
そろそろ起きて、ご飯つくって時間割考えます。
起きれたら明日から?今日から?大学だ。
春が、始まる。ね。
寺山修司
2007年4月12日幸福について12の質問
1 それは食べられますか?
2 それは無人島で栽培できますか?
3 それは指さすことができますか?
4 それはフットボールより重いですか?
5 それは川で泳いでいますか?
6 それは目の中に入りますか?
7 それは尻尾がありますか?
8 それは歯でかみ切ることができますか?
9 それは包装できますか?
10 それはときどきリボンをつけますか?
11 それはノッポですかチビですか?
12 それはロバにまたがれますか?
<寺山修司/愛さないの、愛せないの>
◎ ◎ ◎
青空より破片あつめてきしごとき愛語を言えりわれに抱かれて
村境の春や錆たる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ
ほどかれて少女の髪にむすばれし葬儀の花の花ことばかな
村境の春や錆たる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ
濁流に捨て来しも燃ゆる曼珠沙華あかきを何の生贄とせむ
挽肉器にずたずた挽きし花カンナの赤のしたたる わが誕生日
1 それは食べられますか?
2 それは無人島で栽培できますか?
3 それは指さすことができますか?
4 それはフットボールより重いですか?
5 それは川で泳いでいますか?
6 それは目の中に入りますか?
7 それは尻尾がありますか?
8 それは歯でかみ切ることができますか?
9 それは包装できますか?
10 それはときどきリボンをつけますか?
11 それはノッポですかチビですか?
12 それはロバにまたがれますか?
<寺山修司/愛さないの、愛せないの>
◎ ◎ ◎
青空より破片あつめてきしごとき愛語を言えりわれに抱かれて
村境の春や錆たる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ
ほどかれて少女の髪にむすばれし葬儀の花の花ことばかな
村境の春や錆たる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ
濁流に捨て来しも燃ゆる曼珠沙華あかきを何の生贄とせむ
挽肉器にずたずた挽きし花カンナの赤のしたたる わが誕生日
枡野浩一
2007年4月3日時効まであと十五年 もしここで指の力をゆるめなければ
耐性ができてしまってもう君を裏返しても泣かしてみても
いちぬけた君を時々思いだすためだけにでもこちらにいよう
葬式は生きるわれらのためにやる 君を片付け生きていくため
会いたいと思う気持ちを持ち続け それまで生きていけますように
耐性ができてしまってもう君を裏返しても泣かしてみても
いちぬけた君を時々思いだすためだけにでもこちらにいよう
葬式は生きるわれらのためにやる 君を片付け生きていくため
会いたいと思う気持ちを持ち続け それまで生きていけますように
韻?
2007年3月8日蒼
白
い
明け方
の
孤 独
蝋人形
伝えき
れ な い想い
で
溶
け
た
−−−−−−−−−
さみしくて
隙間を埋めてしまいたいから
愛してるって
そっと囁く
−−−−−−−−−
遠ざかる
プラットフォームの幻影に
さながら僕等は
盲目の詩人
白
い
明け方
の
孤 独
蝋人形
伝えき
れ な い想い
で
溶
け
た
−−−−−−−−−
さみしくて
隙間を埋めてしまいたいから
愛してるって
そっと囁く
−−−−−−−−−
遠ざかる
プラットフォームの幻影に
さながら僕等は
盲目の詩人
背景描写
2007年3月7日ぼんやりとしたひかり。
うるさいくらい響くサティのピアノ曲。
散らばった歌集。詩集。小説。
読みもされないまま積んだ新聞。
ひんやりとした空気。
純粋培養された は次第に増殖してゆく。
わたしはそれを無視してサティの甘い旋律に蝕まれながらあたまの中にひどくぼんやりと緩慢な空白をつくりだす。
蛍光灯のあかるさは無機的なくせにまれに恐ろしいほどグロテスクで
それがあまりにも気持ちが悪かったから
子供じみているとわかっていたけど衝動にまかせて叩き割った。
さっきまでひかりを供給していたそれはあっけないほど簡単に粉々になって、一瞬でただのゴミに変化した。
天気予報がのたまうに今日の天気は晴れらしい。
雨が降ろうと曇っていようとどうせ家からでないのであまり興味はない。
いっそ雪が降れば窓から見える景色もかわるのだろうけれど。
へヴィシロップ漬けのチェリーはたべると指先がべたべたする。
コーラとオレンジジュースの混ざった液体はなんだか薬品くさい。
このまま眠り続けてしまえたら好いのに。
世界が終わるまで、ずっと眠っていられたら好いのに。
うるさいくらい響くサティのピアノ曲。
散らばった歌集。詩集。小説。
読みもされないまま積んだ新聞。
ひんやりとした空気。
純粋培養された は次第に増殖してゆく。
わたしはそれを無視してサティの甘い旋律に蝕まれながらあたまの中にひどくぼんやりと緩慢な空白をつくりだす。
蛍光灯のあかるさは無機的なくせにまれに恐ろしいほどグロテスクで
それがあまりにも気持ちが悪かったから
子供じみているとわかっていたけど衝動にまかせて叩き割った。
さっきまでひかりを供給していたそれはあっけないほど簡単に粉々になって、一瞬でただのゴミに変化した。
天気予報がのたまうに今日の天気は晴れらしい。
雨が降ろうと曇っていようとどうせ家からでないのであまり興味はない。
いっそ雪が降れば窓から見える景色もかわるのだろうけれど。
へヴィシロップ漬けのチェリーはたべると指先がべたべたする。
コーラとオレンジジュースの混ざった液体はなんだか薬品くさい。
このまま眠り続けてしまえたら好いのに。
世界が終わるまで、ずっと眠っていられたら好いのに。
おうた
2007年3月6日魚の目に
ナイフと薔薇を突刺して
笑うあなたを
見ては哀切
うをのめに
ないふとばらをつきさして
わらふあなたを
みてはあいせつ
理科室の
記憶、地球儀
あなたへのキス
白い陽射しと
トランヂスタ・レディオ
りかしつの
きおく ちゅきゅうぎ
あなたへのきす
しろいひざしと
とらんじすたれでぃお
あなたの聲を
わすれるやうな
あをぞらの
遥か向かうで
誰がわらつた
あなたのこえを
わすれるやうな
あをそらの
はるかむかうで
たれかわらつた
ナイフと薔薇を突刺して
笑うあなたを
見ては哀切
うをのめに
ないふとばらをつきさして
わらふあなたを
みてはあいせつ
理科室の
記憶、地球儀
あなたへのキス
白い陽射しと
トランヂスタ・レディオ
りかしつの
きおく ちゅきゅうぎ
あなたへのきす
しろいひざしと
とらんじすたれでぃお
あなたの聲を
わすれるやうな
あをぞらの
遥か向かうで
誰がわらつた
あなたのこえを
わすれるやうな
あをそらの
はるかむかうで
たれかわらつた
The Starry Night
2007年3月5日
渦を巻く夜空と
奇妙にあかるい月のもとで
てくてくと歩き続ける夢をみていた。
遠い異国の地か
果ては在り得ぬ世界か。
随分と心細い、けれど不思議となつかしい気持ちで
わたしはひたすらその場所を歩き続けていた。
泣きたいような、でもたまらなく穏やかなノスタルジーを抱えて。
「…夜空の星をみているといつも夢見心地になるが、
それは地図の上で町や村を表す黒い点を見てあれこれと夢想することに近い。」
夢から覚めたとき、音読をする鈴の声が耳に届いた。
ぼんやりとするあたまで
このひとは何時も変わらず真っ直ぐな声で本を読む、と思う。
そうしてそれは彼女の黒くて真っ直ぐな髪にも似ている。
「何故、夜空に輝く点にはフランス地図の上の点のように近づくことができないのか不思議に思う。」
クラシックなデザインをしたソファのうえで
一体なにがしたいのかよくわからないような体勢の
(その姿勢で音読する意義を理解するのはおそろしく難解だろう)
白いカットソーを着た鈴が目に入った。
くるしくない?
そう訊いてみようかとも思ったが
鈴には鈴の事情があるのだろう、と思い直し止めておいた。
余計なお世話だ、と云われかねない。
あるいはくるしいのが好きなの、なんて言われたら
それがたとえ素直ないじわるで言ったことであれ
なんだかまるで嫌味に聞こえてへこみそうだから余計止めた。
「…なに、よんでんの」
かわりに寝起きの、未だうまくでない声でたづねる。
わたしが起きたことに気付いていたのだろう
鈴はたいして驚いた様子もなく
おはよ、よく眠れた?と言ってなんだか愉しそうに笑う。
いたずらっこみたいな
天使みたいな
それでいてちゃんと大人みたいな
そう云う複雑な、けれど明瞭な笑いかただ。
こういう表情をみるたびに、このひとが好きだなあ、と実感する。
なによんでんの。
質問にはまあね、と適当にこたえて同じことをたづねる。
「フィンセントさんの書記」
「…フィンセント?」
「うん」
「だれ」
「フィンセントさん。自然世界との一体化を信じてたげーじゅつか。
ほら、おいで。このひと最後に
僕等は死によって星へと到達するのだ
って言ってるよ。
神経発作のせいでぶちこまれた精神病院のなかでだけど」
エアーコンディショナと加湿器のおかげでかなり快適な温度と空気がたもたれてはいるものの
布団の中のあたたかさから抜け出るのが面倒くさいわたしに
鈴はもう一度おいで、と言った。
わたしは多分、本質的にこのひとの言葉が好きなのだけれど
なかでもこのおいで、と云うひびきに弱い。
だからあたたかいねぐらを諦め、ゆうべ着ていたトランクスとキャミソールを身につけた。
随分痕、残ったね。
鈴は興味深そうにそう言うが、長袖を着ているからわからないだけで
彼女のからだにだってこれとおなじものがたくさん残っているはずだ。
「フィンセント…って、ああ。わざわざそっちで呼ばなくても」
彼女に見せられた本には
随分と有名なそのひとの名前があって
何故かファーストネームで呼ぶその律儀さ(なのか?)すら
なんとなく愛おしくなった。
末期だ。果てしなく末期だ。
心の中でそう苦笑しつつつぶやきながら
たちの悪いことにこの症状を愉しんでいることにも勿論気付いていて
それが更にわたしを愉快にさせる。
満更じゃない。
幸福だ。痛いほど。
「ハコちゃんにやけてるー。やらしいなあ」
知らず、にやにやしていたのだろう。
鈴がアクロバティックな体勢を戻して、わたしのほっぺたを指先でつつく。
白く華奢な指と短く切り揃えられた爪。
それにはこたえずページをめくる視線がいちまいの画で止まった。
夢でみた景色。
あ。
成程。
僕等は死によって星へと到達するのだ。
たしかにそれも悪くはない未来に思えて
わたしは鈴に気付かれないようそっと笑った。
奇妙にあかるい月のもとで
てくてくと歩き続ける夢をみていた。
遠い異国の地か
果ては在り得ぬ世界か。
随分と心細い、けれど不思議となつかしい気持ちで
わたしはひたすらその場所を歩き続けていた。
泣きたいような、でもたまらなく穏やかなノスタルジーを抱えて。
「…夜空の星をみているといつも夢見心地になるが、
それは地図の上で町や村を表す黒い点を見てあれこれと夢想することに近い。」
夢から覚めたとき、音読をする鈴の声が耳に届いた。
ぼんやりとするあたまで
このひとは何時も変わらず真っ直ぐな声で本を読む、と思う。
そうしてそれは彼女の黒くて真っ直ぐな髪にも似ている。
「何故、夜空に輝く点にはフランス地図の上の点のように近づくことができないのか不思議に思う。」
クラシックなデザインをしたソファのうえで
一体なにがしたいのかよくわからないような体勢の
(その姿勢で音読する意義を理解するのはおそろしく難解だろう)
白いカットソーを着た鈴が目に入った。
くるしくない?
そう訊いてみようかとも思ったが
鈴には鈴の事情があるのだろう、と思い直し止めておいた。
余計なお世話だ、と云われかねない。
あるいはくるしいのが好きなの、なんて言われたら
それがたとえ素直ないじわるで言ったことであれ
なんだかまるで嫌味に聞こえてへこみそうだから余計止めた。
「…なに、よんでんの」
かわりに寝起きの、未だうまくでない声でたづねる。
わたしが起きたことに気付いていたのだろう
鈴はたいして驚いた様子もなく
おはよ、よく眠れた?と言ってなんだか愉しそうに笑う。
いたずらっこみたいな
天使みたいな
それでいてちゃんと大人みたいな
そう云う複雑な、けれど明瞭な笑いかただ。
こういう表情をみるたびに、このひとが好きだなあ、と実感する。
なによんでんの。
質問にはまあね、と適当にこたえて同じことをたづねる。
「フィンセントさんの書記」
「…フィンセント?」
「うん」
「だれ」
「フィンセントさん。自然世界との一体化を信じてたげーじゅつか。
ほら、おいで。このひと最後に
僕等は死によって星へと到達するのだ
って言ってるよ。
神経発作のせいでぶちこまれた精神病院のなかでだけど」
エアーコンディショナと加湿器のおかげでかなり快適な温度と空気がたもたれてはいるものの
布団の中のあたたかさから抜け出るのが面倒くさいわたしに
鈴はもう一度おいで、と言った。
わたしは多分、本質的にこのひとの言葉が好きなのだけれど
なかでもこのおいで、と云うひびきに弱い。
だからあたたかいねぐらを諦め、ゆうべ着ていたトランクスとキャミソールを身につけた。
随分痕、残ったね。
鈴は興味深そうにそう言うが、長袖を着ているからわからないだけで
彼女のからだにだってこれとおなじものがたくさん残っているはずだ。
「フィンセント…って、ああ。わざわざそっちで呼ばなくても」
彼女に見せられた本には
随分と有名なそのひとの名前があって
何故かファーストネームで呼ぶその律儀さ(なのか?)すら
なんとなく愛おしくなった。
末期だ。果てしなく末期だ。
心の中でそう苦笑しつつつぶやきながら
たちの悪いことにこの症状を愉しんでいることにも勿論気付いていて
それが更にわたしを愉快にさせる。
満更じゃない。
幸福だ。痛いほど。
「ハコちゃんにやけてるー。やらしいなあ」
知らず、にやにやしていたのだろう。
鈴がアクロバティックな体勢を戻して、わたしのほっぺたを指先でつつく。
白く華奢な指と短く切り揃えられた爪。
それにはこたえずページをめくる視線がいちまいの画で止まった。
夢でみた景色。
あ。
成程。
僕等は死によって星へと到達するのだ。
たしかにそれも悪くはない未来に思えて
わたしは鈴に気付かれないようそっと笑った。
読書感想文
2007年3月4日長い文章読むのきらいなひとは飛ばしてくださいな。
原稿用紙5枚分あるので。
「100万回生きた猫」
あいするひとが死んだとき、あなたはどうしますか。
泣きますか、笑いますか、それとも欠落感に自らの死を願いますか?そのひとのいない孤独に、耐え難いさみしさに、たくさんの記憶に、死を悼んではかなしみ続けますか?
ある時、百万回生きた猫は死んだ。
百万回死んで百万回生き返り、その間誰かに変われ、或いは誰にも飼われず、誰かに大切にされ、愛され、けれど誰も好きにならずに百万回生きて、そうしてはじめてうつくしい白猫とその子供を自分より好きになり、はじめて好きになった白猫の死がかなしくて、三日三晩泣き続けた後に彼は死んだ。
永遠ともいえる彼の生を奪ったその死は、なにかの代償なのだろうか。
けれど私は彼の最後の死に、かなしみよりも救いを、単純な死の痛ましさよりも寧ろ終わることのできた彼への羨望を感じる。
自分の存在以上に誰かを好きになり、その好きになったひとが死んだ時、以前と変わらない日常を送る苦痛は果てしないだろう。
それまでの彼は言う。
子供も、海も、おばあさんも、王様も、泥棒も嫌いだ、大嫌いだ、と。
今迄そうやって誰も、なにも好きにならず生きてきた彼は、その喪失にともなう痛みも、苦しみも、そうして喪う恐怖も知り得なかった。
自身を至上のものと思うのならば、死はその痛みを半減させる。
自身の固執する日常やひとやものからの断絶こそ私達が死を畏れ、忌避しようとする最大の原因となるからだ。
だからきっと、白猫を愛した結果、その喪失の苦痛を知ることではじめて、百万回生きた猫はようやく死ぬことができた。
その幸福に私は嫉妬すら覚える。
今現実に生きている私には彼のように悲しみ故に死ねる確証がない。
幾ら嘆こうと、幾ら絶望しようと、私の本能は生き続けることを要求する。
どれほど精神的苦痛に晒されていても、私の肉体は空腹を感じ、睡眠を欲し、心臓は拍動を刻み続け、ヘモグロビンは当然のように酸素を運び続ける。
だからこそ、私は恐れる。
何かを手に入れることを、なにかを愛することを。
そうしてやがて、そのかけがえのないなにかを喪うことを。
それは、絶対的な苦痛の可能性を孕んでいる。
そうしてその恐怖は時に私の足を竦ませ、臆病にさせる。
見たくない、触れたくない、記憶など欲しくはない。
結局喪ってしまうならば最初から抱きたくなどない、と。
けれど、どれほど恐怖し、絶望し、果てしない孤独にひたすら戦慄しても尚、ひとはひとりでは生きてゆけない。
私達はなにかを愛しながら生きるしか術を持たない。
どれだけ恐怖しても、どんなに避けたいと願っても、絶対的な恐怖に打ち震え、怯えながら、錯乱しながら、私達は愚直に愛すべき対象を求めてしまう。
ならば、愛するなにかを見つけた時、その時の私にできる唯一のことは享受ではないだろうか。
なにかを愛してしまったのならば、それが与える果てのないかなしみも、苦しみも、悦びも、喪失の痛みすらも私は愛おしいものとして受け容れよう。
愛すべきなにかに出逢ってしまった時から、私は喪う未来に恐怖し続けるだろう。
そうしてそれを喪った時、痛みは私を完膚なきまでに打ちのめすだろう。
けれどそれでも、嗚咽をころし、その痛みを厭い嘆くことなく、しぶとくなにかを愛し続けよう。
孤独は私を容赦なく苛み、幾度となく涙を流させるだろう。
もしかしたら、涙すら流れず、圧倒的なまでの現実を前に呆然と立ちつくし、ただ緩慢に笑うことしかできないかも知れない。
だからこそ、私は思う。
なにかを愛しいと想う時、誰かに愛を告げる時、私達は自身の存在を賭して世界に対峙しているのではないだろうか。
なにかを愛し、それ故の痛みを受け容れる覚悟をすることではじめて私達は生きることを知るのではないだろうか。
ならば告げよう。
あいすることから目を逸らすことなく想おう。
私はあなたを愛してしまった。
もしかしたらあなたは私に苦痛をもたらすかも知れないが、それを受け容れる覚悟はできている、と。
百万回生きた猫が百万回死んだ、百万回生きた猫にただ一度だけ愛された白猫がただ一度だけ死んだ、百万回生きた猫がただの一度も愛さなかったたくさんのひとやものが存在した。
そうして一度だけしか生きられない私達は、限られた時間の中でなにかを、誰かを愛しながら死んでゆく。
そんな世界の片隅で、幸運にもあいするなにかに出逢えたのなら、私は愛を叫ぼう。
未だ恐れは消えず、声は震えているかも知れない。
けれどそれでもいい。
私は、私のあらん限りの力で、あいするもの、あいするひとすべてにこの言葉を届けたい。
「愛している」
はい。
読んでくれたひと、どうもありがとう。
飛ばしたひと、それはそれでありがとう。笑。
誰宛か、わかってるひとは笑ってやってください。
未だ愛してます。きっと一生。
さ、今夜も眠れない!
あ。べつにやらしいこと考えてるとか、欲求不満とかじゃないから!
やること多すぎるだけだから!
…凹
原稿用紙5枚分あるので。
「100万回生きた猫」
あいするひとが死んだとき、あなたはどうしますか。
泣きますか、笑いますか、それとも欠落感に自らの死を願いますか?そのひとのいない孤独に、耐え難いさみしさに、たくさんの記憶に、死を悼んではかなしみ続けますか?
ある時、百万回生きた猫は死んだ。
百万回死んで百万回生き返り、その間誰かに変われ、或いは誰にも飼われず、誰かに大切にされ、愛され、けれど誰も好きにならずに百万回生きて、そうしてはじめてうつくしい白猫とその子供を自分より好きになり、はじめて好きになった白猫の死がかなしくて、三日三晩泣き続けた後に彼は死んだ。
永遠ともいえる彼の生を奪ったその死は、なにかの代償なのだろうか。
けれど私は彼の最後の死に、かなしみよりも救いを、単純な死の痛ましさよりも寧ろ終わることのできた彼への羨望を感じる。
自分の存在以上に誰かを好きになり、その好きになったひとが死んだ時、以前と変わらない日常を送る苦痛は果てしないだろう。
それまでの彼は言う。
子供も、海も、おばあさんも、王様も、泥棒も嫌いだ、大嫌いだ、と。
今迄そうやって誰も、なにも好きにならず生きてきた彼は、その喪失にともなう痛みも、苦しみも、そうして喪う恐怖も知り得なかった。
自身を至上のものと思うのならば、死はその痛みを半減させる。
自身の固執する日常やひとやものからの断絶こそ私達が死を畏れ、忌避しようとする最大の原因となるからだ。
だからきっと、白猫を愛した結果、その喪失の苦痛を知ることではじめて、百万回生きた猫はようやく死ぬことができた。
その幸福に私は嫉妬すら覚える。
今現実に生きている私には彼のように悲しみ故に死ねる確証がない。
幾ら嘆こうと、幾ら絶望しようと、私の本能は生き続けることを要求する。
どれほど精神的苦痛に晒されていても、私の肉体は空腹を感じ、睡眠を欲し、心臓は拍動を刻み続け、ヘモグロビンは当然のように酸素を運び続ける。
だからこそ、私は恐れる。
何かを手に入れることを、なにかを愛することを。
そうしてやがて、そのかけがえのないなにかを喪うことを。
それは、絶対的な苦痛の可能性を孕んでいる。
そうしてその恐怖は時に私の足を竦ませ、臆病にさせる。
見たくない、触れたくない、記憶など欲しくはない。
結局喪ってしまうならば最初から抱きたくなどない、と。
けれど、どれほど恐怖し、絶望し、果てしない孤独にひたすら戦慄しても尚、ひとはひとりでは生きてゆけない。
私達はなにかを愛しながら生きるしか術を持たない。
どれだけ恐怖しても、どんなに避けたいと願っても、絶対的な恐怖に打ち震え、怯えながら、錯乱しながら、私達は愚直に愛すべき対象を求めてしまう。
ならば、愛するなにかを見つけた時、その時の私にできる唯一のことは享受ではないだろうか。
なにかを愛してしまったのならば、それが与える果てのないかなしみも、苦しみも、悦びも、喪失の痛みすらも私は愛おしいものとして受け容れよう。
愛すべきなにかに出逢ってしまった時から、私は喪う未来に恐怖し続けるだろう。
そうしてそれを喪った時、痛みは私を完膚なきまでに打ちのめすだろう。
けれどそれでも、嗚咽をころし、その痛みを厭い嘆くことなく、しぶとくなにかを愛し続けよう。
孤独は私を容赦なく苛み、幾度となく涙を流させるだろう。
もしかしたら、涙すら流れず、圧倒的なまでの現実を前に呆然と立ちつくし、ただ緩慢に笑うことしかできないかも知れない。
だからこそ、私は思う。
なにかを愛しいと想う時、誰かに愛を告げる時、私達は自身の存在を賭して世界に対峙しているのではないだろうか。
なにかを愛し、それ故の痛みを受け容れる覚悟をすることではじめて私達は生きることを知るのではないだろうか。
ならば告げよう。
あいすることから目を逸らすことなく想おう。
私はあなたを愛してしまった。
もしかしたらあなたは私に苦痛をもたらすかも知れないが、それを受け容れる覚悟はできている、と。
百万回生きた猫が百万回死んだ、百万回生きた猫にただ一度だけ愛された白猫がただ一度だけ死んだ、百万回生きた猫がただの一度も愛さなかったたくさんのひとやものが存在した。
そうして一度だけしか生きられない私達は、限られた時間の中でなにかを、誰かを愛しながら死んでゆく。
そんな世界の片隅で、幸運にもあいするなにかに出逢えたのなら、私は愛を叫ぼう。
未だ恐れは消えず、声は震えているかも知れない。
けれどそれでもいい。
私は、私のあらん限りの力で、あいするもの、あいするひとすべてにこの言葉を届けたい。
「愛している」
はい。
読んでくれたひと、どうもありがとう。
飛ばしたひと、それはそれでありがとう。笑。
誰宛か、わかってるひとは笑ってやってください。
未だ愛してます。きっと一生。
さ、今夜も眠れない!
あ。べつにやらしいこと考えてるとか、欲求不満とかじゃないから!
やること多すぎるだけだから!
…凹
ねむりやなぎ
2007年3月3日たとえばということばすらあなたの中に。
カタン
カタン
硬い音
つめたい床
なにをしているかなんてわからない
あなたはいつもわたしから見えないところにいる。
カタン
カタン
暗闇と灯り
ノイズ
今は午前三時で
電気をつけていないこの部屋は真っ暗で
そのうえ
わたしはひとりきりだ。
ふすまの隙間からこぼれるひかりがたまらなく遠くて切ない。
そんなんならいっそ目なんか見えなきゃいいのにと思ったけれど
でもやっぱりそうしたらあなたが見えないから嫌だ、と思いなおした。
永遠みたいな時間
微かに聞こえる音楽
たとえば立ちあがってそこをあければ
多分すこしだけ驚いた顔をしたあなたがいて
起きたの、なんてたづねながらあたたかいミルクを飲ませてくれるのかもしれない。
あるいは、起こしちゃった、ともうしわけなさそうな顔でほほえむかもしれない。
たとえばこのまま起きていたら
ふとした気まぐれであなたがこちらを覗いて
起きているわたしを見て不思議そうな顔をするのかもしれない。
あるいは、おはよう、としづかな声で言うのかもしれない。
すべて、空想。
現実は、夢の中。
たとえばを連ねた思考の群れに
あなたのたてる硬い音が響いてくる。
なにをしているかなんてわからない。
もしかしたらそこにいるのはあなたじゃあないのかもしれない。
あなたが見えないわたしにそれはわからない。
カタン
続いていた音がやんでひとがうごく気配。
ふすまが開く前に
あなたがここにいるとわかる前に
眠ってしまおう。
たとえば、あなたがあなたじゃあないときのために。
カタン
カタン
硬い音
つめたい床
なにをしているかなんてわからない
あなたはいつもわたしから見えないところにいる。
カタン
カタン
暗闇と灯り
ノイズ
今は午前三時で
電気をつけていないこの部屋は真っ暗で
そのうえ
わたしはひとりきりだ。
ふすまの隙間からこぼれるひかりがたまらなく遠くて切ない。
そんなんならいっそ目なんか見えなきゃいいのにと思ったけれど
でもやっぱりそうしたらあなたが見えないから嫌だ、と思いなおした。
永遠みたいな時間
微かに聞こえる音楽
たとえば立ちあがってそこをあければ
多分すこしだけ驚いた顔をしたあなたがいて
起きたの、なんてたづねながらあたたかいミルクを飲ませてくれるのかもしれない。
あるいは、起こしちゃった、ともうしわけなさそうな顔でほほえむかもしれない。
たとえばこのまま起きていたら
ふとした気まぐれであなたがこちらを覗いて
起きているわたしを見て不思議そうな顔をするのかもしれない。
あるいは、おはよう、としづかな声で言うのかもしれない。
すべて、空想。
現実は、夢の中。
たとえばを連ねた思考の群れに
あなたのたてる硬い音が響いてくる。
なにをしているかなんてわからない。
もしかしたらそこにいるのはあなたじゃあないのかもしれない。
あなたが見えないわたしにそれはわからない。
カタン
続いていた音がやんでひとがうごく気配。
ふすまが開く前に
あなたがここにいるとわかる前に
眠ってしまおう。
たとえば、あなたがあなたじゃあないときのために。
グノシエンヌ
2007年3月2日ぼんやりとした不安
攪拌される脳髄
空気に溶けるのは空想
ああ違う
きっと此処に溶けるのは貴方
あたたかい空調
ふたりの匂い
流れるエリックサティのピアノ
まだらな密度がからみついて
息が巧くできない
不安を煽るグノシエンヌ
第一番
第二番
第三番
続いてゆく
続いてゆく
性的なにおいのするこの部屋で
窒息してしまえたらしあわせなのに
攪拌される脳髄
空気に溶けるのは空想
ああ違う
きっと此処に溶けるのは貴方
あたたかい空調
ふたりの匂い
流れるエリックサティのピアノ
まだらな密度がからみついて
息が巧くできない
不安を煽るグノシエンヌ
第一番
第二番
第三番
続いてゆく
続いてゆく
性的なにおいのするこの部屋で
窒息してしまえたらしあわせなのに
つづく日常 (その1)
2007年3月1日君の描く世界は嘘みたいに綺麗で、
透き通ったその世界の中僕はゆるゆると沈殿してゆく。
「ねえ、ヨウイチ。土曜日って眠くならん?」
さっきまで机に向かって
(おそらく明々後日提出らしいレポートを書いていたのだろう)
黙々と資料をめくっていたヒナがくるり、と椅子ごと回転してこちらを向く。
普段はコンタクトレンズをいれているおおきな瞳は眼鏡のレンズ越し、すこし小さく見える。
「…ならん」
紅茶に大量のコンデンスミルクとウォッカを入れた飲み物を時々かき混ぜながら飲んでいた僕はソファの上、三秒だけ考えた後に答えた。
ここにくる度に思う。この家のソファは快適だ。
色彩というものの殆どないこの部屋の中であざやかなブルーだけが際立っていてとてもうつくしい。
窓から見える景色は昼下がりの惰性に支配されている。
「ふうん」
僕の答えに不服とも満足ともとれないような反応を返し
ヒナはおおよそ三時間ほど座っていたその椅子と机の前から移動した。
白いコットンシャツに黒のジーンズ。
素足の爪に塗られたブルーのペディキュアがすこし剥がれかかっている。
「土曜日よりも、水曜日の方が眠たい」
キチンでお湯を沸かすヒナの背中は肩甲骨がうっすらと透けていて
短く切りそろえられた黒髪とうなじの白さがとても愛おしい。
ケトルのたてるけたたましい音と湯気を確認してインスタントのコーヒを溶かす動作を眺めながらふとそんなことを思う。
「水曜日?」
「そ、水曜日」
溶かしたばかりのブラックコーヒを持ってキチンから戻ってくるヒナのためにすこしばかりずれてソファをあけたけれど、ヒナはそこへは座らず僕のあしもとに直接腰を下ろす。
どうやらレポートはひと段落したらしい。
それきり喋る気配の無い僕等のあいだには沈黙が落ちるけれど
けして居心地の悪いものではなく、寧ろ心地好い種類の沈黙だったのでどちらも口を開かなかった。
今日は水曜日でも土曜日でもない。
眠たくもなければ眠たくなくもない。
しばらく黙ったまま各々カップに満たされていた液体をゆっくりと嚥下する。
僕のあまったるい紅茶は(ヒナはそれを悪趣味だと言ってけして飲もうとしない)もう随分と冷めていたけれど
舌のうえに残るあまさと薄いアルコールは悪くない味だと思う。
「…さんぽ」
「ん?」
「散歩、してくる」
カップに残ったコーヒーを勢いよく飲みほしたヒナがまるで宣言でもするように、それでも不思議と静かな声で言った。
言ったそばから立ち上がりキチンにカップを片付け、ジャケットを羽織る。
こういうときに、一緒にいこう、といわないところがとても好きだ。
「いってらっさい」
ポケットに財布と煙草をいれて、深くて綺麗な藍色をしたあたたかそうなマフラを巻くヒナに
相変わらずソファに座ったままで声をかけた。
「いってきます」
マーチンのブーツを履きながらすこしだけ振り向いてかすかに微笑んだその笑顔に、ひらひらと手を振って僕もにっこり笑う。
ぎいいっという音をたてて一度ひらいたドアーが閉まりヒナの姿を飲み込んだのを確認してから笑顔を引っ込め、僕はその居心地の好いソファから漸く立ち上がった。
「土曜日は眠たい…ねえ」
先ほどのヒナの発言をなんとなく口の中で転がしてみて
ほんじつ三杯目のあまったるい飲みものをつくるため、キチンへとむかうのだ。
透き通ったその世界の中僕はゆるゆると沈殿してゆく。
「ねえ、ヨウイチ。土曜日って眠くならん?」
さっきまで机に向かって
(おそらく明々後日提出らしいレポートを書いていたのだろう)
黙々と資料をめくっていたヒナがくるり、と椅子ごと回転してこちらを向く。
普段はコンタクトレンズをいれているおおきな瞳は眼鏡のレンズ越し、すこし小さく見える。
「…ならん」
紅茶に大量のコンデンスミルクとウォッカを入れた飲み物を時々かき混ぜながら飲んでいた僕はソファの上、三秒だけ考えた後に答えた。
ここにくる度に思う。この家のソファは快適だ。
色彩というものの殆どないこの部屋の中であざやかなブルーだけが際立っていてとてもうつくしい。
窓から見える景色は昼下がりの惰性に支配されている。
「ふうん」
僕の答えに不服とも満足ともとれないような反応を返し
ヒナはおおよそ三時間ほど座っていたその椅子と机の前から移動した。
白いコットンシャツに黒のジーンズ。
素足の爪に塗られたブルーのペディキュアがすこし剥がれかかっている。
「土曜日よりも、水曜日の方が眠たい」
キチンでお湯を沸かすヒナの背中は肩甲骨がうっすらと透けていて
短く切りそろえられた黒髪とうなじの白さがとても愛おしい。
ケトルのたてるけたたましい音と湯気を確認してインスタントのコーヒを溶かす動作を眺めながらふとそんなことを思う。
「水曜日?」
「そ、水曜日」
溶かしたばかりのブラックコーヒを持ってキチンから戻ってくるヒナのためにすこしばかりずれてソファをあけたけれど、ヒナはそこへは座らず僕のあしもとに直接腰を下ろす。
どうやらレポートはひと段落したらしい。
それきり喋る気配の無い僕等のあいだには沈黙が落ちるけれど
けして居心地の悪いものではなく、寧ろ心地好い種類の沈黙だったのでどちらも口を開かなかった。
今日は水曜日でも土曜日でもない。
眠たくもなければ眠たくなくもない。
しばらく黙ったまま各々カップに満たされていた液体をゆっくりと嚥下する。
僕のあまったるい紅茶は(ヒナはそれを悪趣味だと言ってけして飲もうとしない)もう随分と冷めていたけれど
舌のうえに残るあまさと薄いアルコールは悪くない味だと思う。
「…さんぽ」
「ん?」
「散歩、してくる」
カップに残ったコーヒーを勢いよく飲みほしたヒナがまるで宣言でもするように、それでも不思議と静かな声で言った。
言ったそばから立ち上がりキチンにカップを片付け、ジャケットを羽織る。
こういうときに、一緒にいこう、といわないところがとても好きだ。
「いってらっさい」
ポケットに財布と煙草をいれて、深くて綺麗な藍色をしたあたたかそうなマフラを巻くヒナに
相変わらずソファに座ったままで声をかけた。
「いってきます」
マーチンのブーツを履きながらすこしだけ振り向いてかすかに微笑んだその笑顔に、ひらひらと手を振って僕もにっこり笑う。
ぎいいっという音をたてて一度ひらいたドアーが閉まりヒナの姿を飲み込んだのを確認してから笑顔を引っ込め、僕はその居心地の好いソファから漸く立ち上がった。
「土曜日は眠たい…ねえ」
先ほどのヒナの発言をなんとなく口の中で転がしてみて
ほんじつ三杯目のあまったるい飲みものをつくるため、キチンへとむかうのだ。
ラブレタ
2007年2月24日大切なひとたちを、好きなひとたちを、愛してるひとを、僕のちからじゃとてもじゃないけどしあわせになんてきっとできない。
できないけど、でも大切だから、好きだから、愛してるから、お願いだからどうかしあわせになって欲しいって思う。
しあわせにするよ、なんておこがましくて言えない。
そんな大それたことは僕の手に余る。
でもやっぱり願っちゃうから、言葉にしない言葉で(それでもきっと滲んでるんだろう)そっと祈るよ。
僕は僕のエゴで祈るから
君は君の自由でしあわせになって。
君をしあわせにできるひと。
あなたを、憎みながら賞賛します。
あなたに、嫉妬しながら感謝します。
ねえ。
苦しめるくらいなら
すこしでも負担になるくらいなら。
要らない要らない要らない要らない。
この腕も喉も心臓も
君を疲れさせるだけなら棄ててしまって好い。
そろそろ卒業するべきなんだね。
多分
留まっていたいって願うのはもう無駄なんだ。
然様なら。
この何年か、心から有難う。
何時か君が僕を思い出したら、その時にまた出会いましょう。
愛しているよ。
遠い東京より、君のいる何処かへ。
できないけど、でも大切だから、好きだから、愛してるから、お願いだからどうかしあわせになって欲しいって思う。
しあわせにするよ、なんておこがましくて言えない。
そんな大それたことは僕の手に余る。
でもやっぱり願っちゃうから、言葉にしない言葉で(それでもきっと滲んでるんだろう)そっと祈るよ。
僕は僕のエゴで祈るから
君は君の自由でしあわせになって。
君をしあわせにできるひと。
あなたを、憎みながら賞賛します。
あなたに、嫉妬しながら感謝します。
ねえ。
苦しめるくらいなら
すこしでも負担になるくらいなら。
要らない要らない要らない要らない。
この腕も喉も心臓も
君を疲れさせるだけなら棄ててしまって好い。
そろそろ卒業するべきなんだね。
多分
留まっていたいって願うのはもう無駄なんだ。
然様なら。
この何年か、心から有難う。
何時か君が僕を思い出したら、その時にまた出会いましょう。
愛しているよ。
遠い東京より、君のいる何処かへ。
碧空
2007年2月19日あをぞらの向うで君が笑つた。
雨の後。
透明な雫。乱反射して拡散してゆくひかり。
透き通った空気。
あまりに綺麗で
一瞬呼吸が止まるかと思った。
―― 今見たいもの。世界。世界全部。
ひかりに透ける具合だとか
光線のつくりだす虹色だとか。
トン、って背中を叩かれた気がして泣きたくなったよ。
優しいのにつめたい。
残酷なのに綺麗で、これじゃあまるで夢だな。
それもとびきり上等な。
A:到達するまであとどれくらいかかるのかい?
B:斯う綺羅綺羅してちゃあさうですねえやつぱり半刻程は。
A:…。
B:其れでもゆきますかい?
ああ、なんか寝て起きたらこんな時間。
冬合宿の用意しなきゃ!
雨の後。
透明な雫。乱反射して拡散してゆくひかり。
透き通った空気。
あまりに綺麗で
一瞬呼吸が止まるかと思った。
―― 今見たいもの。世界。世界全部。
ひかりに透ける具合だとか
光線のつくりだす虹色だとか。
トン、って背中を叩かれた気がして泣きたくなったよ。
優しいのにつめたい。
残酷なのに綺麗で、これじゃあまるで夢だな。
それもとびきり上等な。
A:到達するまであとどれくらいかかるのかい?
B:斯う綺羅綺羅してちゃあさうですねえやつぱり半刻程は。
A:…。
B:其れでもゆきますかい?
ああ、なんか寝て起きたらこんな時間。
冬合宿の用意しなきゃ!
こうふくな呪い
2007年2月14日この時間まで眠っていると何時も。
ゆるゆるとした夢ばかりみて
息苦しくなって目が醒めるのだ。
嗚呼。
呪いは何時だって側にいるのに
それを忘れることすら叶わないのか。
ねえ、僕はずっとそこにいるよ。
ずっとずっとずっと。
気が遠くなるまで、骨が朽ちるまで。
ねえ。
ゆるゆるとした夢ばかりみて
息苦しくなって目が醒めるのだ。
嗚呼。
呪いは何時だって側にいるのに
それを忘れることすら叶わないのか。
ねえ、僕はずっとそこにいるよ。
ずっとずっとずっと。
気が遠くなるまで、骨が朽ちるまで。
ねえ。
睡眠過多
2007年2月12日起きたり眠ったりを繰り返してるけど。
でも圧倒的に眠ってる時間のが長い。
起きてる時間にしたことと云えば
ヤンシュヴァンクマイエルの映像を延々眺めてたくらい。
うーん、絶品。
とか言葉で表しても多分絶対わからんので
とりあえづ面白いものが好きなひとはこっち見てください。
ジャバウォッキー
http://video.google.com/videoplay?docid=-677307474006819524&q=Jabberwocky
(最初に日本語訳がはいってるけど、観づらい)
同じくジャバウォッキー
http://video.google.com/videoplay?docid=-1627784769041891973&q=Jabberwocky
(こっちのが若干観やすい。でも訳はないよー)
Dimensions of Dialogue
http://video.google.com/videoplay?docid=8109193068488859818&q=Jan+Svankmajer
(会話あれこれ。短編がみっつ)
Historia Naturae
http://www.youtube.com/watch?v=6HS1_tjUXxI
(若干グロテスクなので注意!)
やっぱりどうしても僕はシュールなものとか
規格外的なもの、何かが過少で何かが過多なもの、欠落、欠損超越、歪曲
そんな、若干壊れてるようなものが好き。
ひとも同じだけど。
あ、あと独特の色気のある作品。
雰囲気がある、とも言い換えられるけど。
でもやっぱりそこには多かれ少なかれ性的なにおい(ストイックでもフェティッシュでもなんでも)が必要なんだよなあ。
今日の写真三枚はそんな。
あ、ヴォーグニッポンで素敵な写真みつけたから
覚えてたら後でどっかに貼ろう。
◎ ◎ ◎
伝わらない哀しさと
曲解される哀しさはあれど
昔みたいにそこに躍起にならないで好いから、大分違う。
意地を張るのも
躍起になるのも
理解しようと試みるのも
努力しようとしてみるのも
伝えたがるのも
ぜーんぶとっくに放棄。
サヨナラっ。
今は、見えるものだけ受け流せば好い。
それで充分な距離に居る、そう云うことなんだろな。
昔はさあ、あれだったね。
分不相応だったけど僕なりに、受け止めようとしてたじゃあない?
できないけど、できないなりにやってみよう、とか。
まあ、それだって錯覚かも知れないけど。
礼節と流儀と矜持。
大切にすること、愛してるもの、妥協できない場処。
そろそろ結論する必要があるんだろうね。
ああもうこう云うとき優柔不断って迷ってばかりで困るなあ。
なんて。ね。好い加減嘘は止めた。吐き飽きた。聞き飽きた。
結論なんて疾うの昔に出てる筈。
あとは覚悟だけ、ってところだろう。
それも、もう大丈夫だし。
やっぱり僕は、自分が優しいだなんて絶対思わないなあ。
ま、いーけどサ。
果てさて如何なることやら。
(如何にもならないことは知ってるけど。一応。ね)
◎ ◎ ◎
うがー。
未だ集合までに時間あるし、もう一眠りしよっかな。
新宿九時だっけ?
…ほんと、なにしてよう!
でも圧倒的に眠ってる時間のが長い。
起きてる時間にしたことと云えば
ヤンシュヴァンクマイエルの映像を延々眺めてたくらい。
うーん、絶品。
とか言葉で表しても多分絶対わからんので
とりあえづ面白いものが好きなひとはこっち見てください。
ジャバウォッキー
http://video.google.com/videoplay?docid=-677307474006819524&q=Jabberwocky
(最初に日本語訳がはいってるけど、観づらい)
同じくジャバウォッキー
http://video.google.com/videoplay?docid=-1627784769041891973&q=Jabberwocky
(こっちのが若干観やすい。でも訳はないよー)
Dimensions of Dialogue
http://video.google.com/videoplay?docid=8109193068488859818&q=Jan+Svankmajer
(会話あれこれ。短編がみっつ)
Historia Naturae
http://www.youtube.com/watch?v=6HS1_tjUXxI
(若干グロテスクなので注意!)
やっぱりどうしても僕はシュールなものとか
規格外的なもの、何かが過少で何かが過多なもの、欠落、欠損超越、歪曲
そんな、若干壊れてるようなものが好き。
ひとも同じだけど。
あ、あと独特の色気のある作品。
雰囲気がある、とも言い換えられるけど。
でもやっぱりそこには多かれ少なかれ性的なにおい(ストイックでもフェティッシュでもなんでも)が必要なんだよなあ。
今日の写真三枚はそんな。
あ、ヴォーグニッポンで素敵な写真みつけたから
覚えてたら後でどっかに貼ろう。
◎ ◎ ◎
伝わらない哀しさと
曲解される哀しさはあれど
昔みたいにそこに躍起にならないで好いから、大分違う。
意地を張るのも
躍起になるのも
理解しようと試みるのも
努力しようとしてみるのも
伝えたがるのも
ぜーんぶとっくに放棄。
サヨナラっ。
今は、見えるものだけ受け流せば好い。
それで充分な距離に居る、そう云うことなんだろな。
昔はさあ、あれだったね。
分不相応だったけど僕なりに、受け止めようとしてたじゃあない?
できないけど、できないなりにやってみよう、とか。
まあ、それだって錯覚かも知れないけど。
礼節と流儀と矜持。
大切にすること、愛してるもの、妥協できない場処。
そろそろ結論する必要があるんだろうね。
ああもうこう云うとき優柔不断って迷ってばかりで困るなあ。
なんて。ね。好い加減嘘は止めた。吐き飽きた。聞き飽きた。
結論なんて疾うの昔に出てる筈。
あとは覚悟だけ、ってところだろう。
それも、もう大丈夫だし。
やっぱり僕は、自分が優しいだなんて絶対思わないなあ。
ま、いーけどサ。
果てさて如何なることやら。
(如何にもならないことは知ってるけど。一応。ね)
◎ ◎ ◎
うがー。
未だ集合までに時間あるし、もう一眠りしよっかな。
新宿九時だっけ?
…ほんと、なにしてよう!
泣きまねばかり巧くなるよ
2007年2月9日◎ ◎ ◎
すこし前に
なにも欲しくないからなにも失いたくない
みたいなことを書いたのだけれど。
それはそれで置いておいて(ご都合主義)
このところの僕は
望んで得たものの弊害に気付いて哀しくなったりもするわけです。
自分で望んだことだから
それに伴う様様な事象を引き受けるべきではあるのだけれど
予想外のところで起きてしまったり
余波が思いのほか大きかったりすると
じつはそれこそ望んでいたものだったりするのに
やっぱりそれはそれで哀しかったり自己嫌悪に陥ったりもしますね。
あー、自己嫌悪か。そうかそうか。
喉元でぐるぐるしてるのは、これなのか。
そういや懐かしい。
万年思春期。
5年前に望んで志向した場所に今僕は立っていて
しかもそれがほぼ確立されてる。
哀しんだって結局ここから逸れるつもりは毛頭ないから
多分きっと、僕はこのままゆきます。
変わらないのはこれ。
愛しているひとに愛してるって云える
そこに躊躇しないでいられる自分であること。
なんだ、大丈夫じゃない。
未だ僕は僕を賭してゆくことができる。
てゆっか、それは変化してない。
寧ろそれが変化しないんだって逆に立証されちゃった。
罵倒されようが
嫌悪されようが
嘲笑されようが
つまりはこれが僕の望むかたちの具現化であって
ただひたすらそれだけなんだよな。
ま、それとは別のはなしとして
でも最終的に僕は
これ以上なにも手に入れず、なにも失わないことを
やっぱり願ってしまいます。
◎ ◎ ◎
わ、もうすぐ夜が明けるや。おはようございます。
すこし前に
なにも欲しくないからなにも失いたくない
みたいなことを書いたのだけれど。
それはそれで置いておいて(ご都合主義)
このところの僕は
望んで得たものの弊害に気付いて哀しくなったりもするわけです。
自分で望んだことだから
それに伴う様様な事象を引き受けるべきではあるのだけれど
予想外のところで起きてしまったり
余波が思いのほか大きかったりすると
じつはそれこそ望んでいたものだったりするのに
やっぱりそれはそれで哀しかったり自己嫌悪に陥ったりもしますね。
あー、自己嫌悪か。そうかそうか。
喉元でぐるぐるしてるのは、これなのか。
そういや懐かしい。
万年思春期。
5年前に望んで志向した場所に今僕は立っていて
しかもそれがほぼ確立されてる。
哀しんだって結局ここから逸れるつもりは毛頭ないから
多分きっと、僕はこのままゆきます。
変わらないのはこれ。
愛しているひとに愛してるって云える
そこに躊躇しないでいられる自分であること。
なんだ、大丈夫じゃない。
未だ僕は僕を賭してゆくことができる。
てゆっか、それは変化してない。
寧ろそれが変化しないんだって逆に立証されちゃった。
罵倒されようが
嫌悪されようが
嘲笑されようが
つまりはこれが僕の望むかたちの具現化であって
ただひたすらそれだけなんだよな。
ま、それとは別のはなしとして
でも最終的に僕は
これ以上なにも手に入れず、なにも失わないことを
やっぱり願ってしまいます。
◎ ◎ ◎
わ、もうすぐ夜が明けるや。おはようございます。
一寸おたづねしたいのですが
2007年2月6日今迄若干気になっていたこと。
折角いろんなひとと繋がってるし、たづねてみようか、と。
ええと。
みなさま、声、聴こえることありません?
(あ、狂ったとか思われたらどうしよ。今更狂ってなんかないよー。)
べつに怪奇現象とか、幽霊だとか、そう云うんじゃあなくて
只、聴こえて来るのだけど聴こえていない、と云うような。
僕、偶に、例えば歩いている時、料理でなにか煮込んでいる時
こう、あたまの中で声が聴こえだすことがあったりなんだり。
正確には聴いている、って云わないのかも知れないけど。
感覚的に近いのが、漫画の科白。
アレってなんか、読むんじゃなくて、否、読んでるんだけど、それがそのまま画像(文字も一種の画像な気がする。記号、か)としてじゃあなくて、幾つかの段階を経て、最終的に音として意味を認識してる、つまりそんな感じ。
わかりにくーい。
そうだなあ、うーん、漫画がアニメ化された時に、声優さんがイメージと違うってのがあるじゃあないですか。
そのイメージって音じゃあないですか。
その音を創り出してるのは視覚から得た情報じゃあないですか。
つまり、そんな、感じ。(ああそうさ、お手上げさ)
その視覚段階すっ飛ばして、あたまの中で声が聴こえる。
大抵あたまを使わない作業をしていて、
更に、意識的にはあたまを使っていない時なのだけれど。
昨日はこんな感じ。
◎ ◎ ◎
ねえ、君。解って居るだろう?平等なんてものは所詮まやかしさ。
人間は平等、否、識って居るよ。好く云う耳障りの好い言葉だね。嗚呼其れは確かに平等だ。人間として人間の胎内から生まれ出でた瞬間から、私達人間は平等だ。然しね、此の場合に於ける平等なんて飽く迄「人間である」と云う意味での平等でしか無い。人間から人間によって人間として生誕し死んでゆく、唯其れだけの意味さ。
然しね、矢張り人間には能力の差と云うものが歴然と存在して居る。視覚聴覚味覚、否、五感だけでは無い、空間把握、認知、理解、すべて是等は個人の能力に依るもので、個体をふたつ並べた時、其処には必ず優劣が存在する。(優れて居るから、劣って居るから如何だ、と云うことは又別の問題だがね)
そうして、此処でひとつ問題が在る。鍛錬、と云うものの位置づけだ。
(略)
結論として何が言いたいかと云うとね、君は部屋を片付けるべきだ、と云うことだよ。其れが例え私が散らかした結果であってもね。
◎ ◎ ◎
そこまで正確には覚えてないけど(だから多分一言一句は同じじゃあないな。でも結構堅苦しい持って回った喋り方)多分こんなんだった筈。
なんか可能性と持続と将来性とかなんとかかんとか。結論が飛躍しすぎ。てゆっかその為にそんなこむづかしいこと持ち出すのかよ、と。
…あ、でもこの思考形態と論理の展開の仕方、僕とおんなじだな。
てことは単純に自分の思考が跳ね返ってるだけなのかなあ。
それとも思考の残滓、みたいなものなのかなあ。
ということで、あれです。
A:ないよー。
B:あるよー。
と、どちらかに一票。入れて呉れたらうれしい、なあ。
皆様の清き一票を。(違うってば
折角いろんなひとと繋がってるし、たづねてみようか、と。
ええと。
みなさま、声、聴こえることありません?
(あ、狂ったとか思われたらどうしよ。今更狂ってなんかないよー。)
べつに怪奇現象とか、幽霊だとか、そう云うんじゃあなくて
只、聴こえて来るのだけど聴こえていない、と云うような。
僕、偶に、例えば歩いている時、料理でなにか煮込んでいる時
こう、あたまの中で声が聴こえだすことがあったりなんだり。
正確には聴いている、って云わないのかも知れないけど。
感覚的に近いのが、漫画の科白。
アレってなんか、読むんじゃなくて、否、読んでるんだけど、それがそのまま画像(文字も一種の画像な気がする。記号、か)としてじゃあなくて、幾つかの段階を経て、最終的に音として意味を認識してる、つまりそんな感じ。
わかりにくーい。
そうだなあ、うーん、漫画がアニメ化された時に、声優さんがイメージと違うってのがあるじゃあないですか。
そのイメージって音じゃあないですか。
その音を創り出してるのは視覚から得た情報じゃあないですか。
つまり、そんな、感じ。(ああそうさ、お手上げさ)
その視覚段階すっ飛ばして、あたまの中で声が聴こえる。
大抵あたまを使わない作業をしていて、
更に、意識的にはあたまを使っていない時なのだけれど。
昨日はこんな感じ。
◎ ◎ ◎
ねえ、君。解って居るだろう?平等なんてものは所詮まやかしさ。
人間は平等、否、識って居るよ。好く云う耳障りの好い言葉だね。嗚呼其れは確かに平等だ。人間として人間の胎内から生まれ出でた瞬間から、私達人間は平等だ。然しね、此の場合に於ける平等なんて飽く迄「人間である」と云う意味での平等でしか無い。人間から人間によって人間として生誕し死んでゆく、唯其れだけの意味さ。
然しね、矢張り人間には能力の差と云うものが歴然と存在して居る。視覚聴覚味覚、否、五感だけでは無い、空間把握、認知、理解、すべて是等は個人の能力に依るもので、個体をふたつ並べた時、其処には必ず優劣が存在する。(優れて居るから、劣って居るから如何だ、と云うことは又別の問題だがね)
そうして、此処でひとつ問題が在る。鍛錬、と云うものの位置づけだ。
(略)
結論として何が言いたいかと云うとね、君は部屋を片付けるべきだ、と云うことだよ。其れが例え私が散らかした結果であってもね。
◎ ◎ ◎
そこまで正確には覚えてないけど(だから多分一言一句は同じじゃあないな。でも結構堅苦しい持って回った喋り方)多分こんなんだった筈。
なんか可能性と持続と将来性とかなんとかかんとか。結論が飛躍しすぎ。てゆっかその為にそんなこむづかしいこと持ち出すのかよ、と。
…あ、でもこの思考形態と論理の展開の仕方、僕とおんなじだな。
てことは単純に自分の思考が跳ね返ってるだけなのかなあ。
それとも思考の残滓、みたいなものなのかなあ。
ということで、あれです。
A:ないよー。
B:あるよー。
と、どちらかに一票。入れて呉れたらうれしい、なあ。
皆様の清き一票を。(違うってば